はじまり

2008年12月、私の心臓は再び元気になった。

「心臓手術」という、一生に一度あるか無いかの貴重な体験を、人生半ばの40歳にして経験したのである。

最近、日記をつけ始めていた私は、入院から手術、退院までの経緯も細かくメモしていた。そして、この体験を文章にして発信することが、同じ病気を持った人達との情報共有に役立つはずだと考えた。私自身、タコスさんという方の僧帽弁形成術についてのブログ(残念ながら、現在は閉鎖済)を拝見していて大変参考にさせてもらったので。

という訳で、退院後3日目から、入院生活の記憶も鮮明なうちに記録を残すべくパソコンのキーを打っている次第である。ちなみに、退院前の記事は、退院後にバックデートで書いている。

では、はじまり、はじまり・・・

私に患っていた病気の名前は、「僧帽弁閉鎖不全症」。心臓には四つの部屋があり(中学の理科で学んだ! そして、テストで100点を取った!)、それぞれの部屋への血液の流れは一方通行である。通常は、肺から戻ってきた動脈血が左心房から左心室へ一方通行で流れる。その左心房と左心室の間にあるのが僧帽弁。この僧帽弁に何らかの不具合が発生して、左心室から左心房に血液が逆流する現象がこの病気。通常何年もかけて、症状は緩やかに進行するので、自覚症状も出にくい。自覚症状がある時は、それなりに状態が悪くなっている段階であることが多いらしい。心臓病の中では比較的ポピュラーな病気なので、治療法もそれなりに確立されているような気がする。

私は、仕事の都合でブラジルとアメリカに約8年間海外赴任していた。海外滞在中に心雑音を指摘されて僧帽弁閉鎖不全症と診断。先天性ではなく、大人になってから、なんらかの原因で体内に入り込んだ細菌が心臓の弁に影響を与えたらしい。思い当たる原因は特にないのだが、まあ、今となっては原因を追及すること自体はあまり重要なことではない。

当初、逆流のレベルは軽度で、半年に1回程度のエコー検査にて継続観察。但し、手術直前にはレベル4まで悪化。

2005年に海外から帰国するも、その後、病院通いをさぼる。1年程前から動悸や胸の違和感を以前より少し強く感じ始めるようになり、「そろそろ手術する時期が来てるのかなぁ」と自覚しつつも、そう思えば思うほど不安と恐怖が先行し、益々病院が遠のいてしまう。

自覚症状は、大したものではなかったと自分では思っていたが、健康な他人の体と自分の体の状態を直接比べることができないので、症状があってもそれが年齢相当の普通の状態だと信じようとしていたのだと思う。動悸を意識するようになっていたこと自体、症状はそれなりに進んでいたのであろう。

術前と術後の体調の変化を後ほど書きたいと思っているが、日常生活に支障は無かったとは言え、細かい体の不調を幾つも抱えていたことに、結論として手術後、気付くに至った。

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カムバックハート


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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の48歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。

このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

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