南淵先生に診てもらう方法

新聞、雑誌、テレビなどにも登場されている知名度の高い心臓外科医の南淵明宏先生に診てもらうことは難しい、特別なコネがいる、特別難易度の高い手術でなければ執刀してもらえない。案外、このように思っている人が多いようだ。

外来の待合室で、患者の家族がこのような会話をしているのを聞いたことがある。
「お宅様の執刀医はどの先生ですか?」
「南淵先生です」
「おや、まぁ、凄いですね!あの有名な先生ですか・・よほど難しい手術をお受けになられたのですね・・・何か特別なルートで紹介を受けられたのでしょうか?」

私の母親も、「あんた、どうやってあんな有名な先生に診てもらったの?」「なんかコネがあったの?」と聞いてきたくらいだ。

こうした先入観に反して、民間病院勤務の南淵先生に診てもらうことは、心臓病を患っている方であれば、とても簡単なことだ。

その方法は、大崎病院 東京ハートセンターのホームページに載っている代表電話番号に電話をかけて、コーディネーターの深津さんに、南淵先生の診察のアポイントをお願いする。ただそれだけの簡単なこと。外科での診察は、一応、客観的事実によって心臓手術を受けるべきと判断された方が対象になる。なので、健康な心臓をお持ちの方が、南淵先生の著書にサインをもらう為に病院での診察のアポを取ることはできない(笑)。通常は、循環器内科医に外科への紹介状を書いてもらって初診の際に持参する。しかし、紹介状自体は、状況によっては必ずしも必要不可欠なものではないはず。患者本人、そのご家族、ご友人の方で、本当に診てもらう必要がある、どうしても診てもらいたいと思っているならば、すぐに行動するのみである。

これは余談であるが、ある有名な外科の先生が、系列病院の内科にかかっていたとある患者の診察データをたまたま見つけた。そして、どうしても自分でその患者を執刀したくなったらしい。でも、その患者の紹介状は持っていなかった。その病院では、制度上、外科で患者に対応するには紹介状がマストであったようだ。それで、どうしたかって言うと、その先生は自分で自分宛の紹介状を一枚、手書きですばやく書いてしまったとのこと。これは、執刀医の方がある特定の患者を診たいという逆のパターンであるが、そんな方法もあるのだと驚いた。

繰り返すが、南淵先生に診てもらうのは難しいことではない。だけど、間違って理解して頂きたくないのは、私は南淵先生に診てもらうことだけをお勧めしている訳ではないということ。南淵先生に限らず、どの医者の先生であっても、自分が本当に診てもらいたいと思ったら、その気持ちを行動に変える勇気を起してもらいたいと伝えたい。

かつての私の心境を述懐する。「そろそろ心臓手術するべき時期かなぁ」と悟性が感じ始めていた頃、「いやいや、まだ大丈夫、自覚症状もないし、普通に生活できるからね」と、それを阻害する感性が私の頭の中で活発に働いていた。定期的に病院に通っていた訳でもなかったので、「手術を受ける必要がある」、それを悟性として認識する為の客観的な医療審判を下してもらうまでに、結局数年という時間がかかった気がする。手遅れにならずに、無事、僧帽弁形成術を受けることができたのは幸運であったと思っている。

追記:
南淵先生は2015年10月に東京ハートセンターから昭和大学横浜市北部病院 循環器センターの成人心臓血管外科部に移動されました。昭和大学以外にも、品川の稲波脊椎・関節病院や南町田医病院でも毎週外来診察をもたれています。病院は代わっても、南淵先生に診てもらう方法は引き続き同様です。南淵先生に診てもらいたい病院の受付でコーディネーターの深津さんをお願いしてアポを取るだけです。こちらのサイトから深津さんに連絡を取ることができます。

<=PREV NEXT=>

アンニンソフトクリーム

このブログを通じて知り合った(元)患者仲間の中で、女性の(元)患者だけによる女子会の活動が行われているという噂を常々聞いていた。ブログの発行人であるカムバックハートとしては、その活動の様子を記事にすべく、今週開かれるという女子部ランチ会に特別参加を表明していた。

女子部の活動は、通常、平日の昼間に行われるらしい。開催日が近づくに連れて、残念ながら何人かの参加メンバーの都合が悪くなり、結局のところ、本日集まったのは三つ葉葵さんと私の二人。ということで、女子部の活動取材という名目はなくなってしまった。

さて、三つ葉葵さんと駅で待ち合わせて、二人で向かった場所は、来月、6月26日に開催予定の第三回(元)心臓病仲間の集まりで会場にしようと思っている横浜市内の某イタリアンレストラン。事前の下見に行こうという訳だ。壁一面の大きな窓からは、春の暖かい木漏れ日が店内に差し込んでいて眩しい。目前に緑豊かな公園と横浜港が見える。季節柄、セーラー服を着た修学旅行の学生が沢山歩き回って、写真を撮ったりしている。穏やかなBGMが流れ、愛想の良い店員さんとのコミュニケーションも良好。落ち着いた雰囲気の中で、今度の集まりの予約と内容の確認をする。半個室風のオープンスペースがあり、窓が大きくて明るい。ランチメニュー、ドリンク、デザートが豊富で料金もまずまずリーズナブル。そして、時間制限が無く予約時間の11:30~15:00までなら居たいだけ居ることができる。合格と判断した。

三つ葉葵さんとは、先日の考心会でも会い、その後、集まりの準備や近況の連絡で頻繁にメールで連絡している。今日も気付けば3時間程話し込んでいた。今度の集まりの企画について、それから、心臓や生活、お互いの家族のことや、趣味、南淵先生の噂など・・・(元)同病同士の話は尽きない。

集まりの日に二次会が行われるかどうかはまだ分からないが、その為の場所の見当を付けておくことにした。二人で横浜中華街を歩いた。そして、中華街の某所で売られている「アンニンソフトクリーム」という素晴らしくまろやかで美味しいソフトクリームの存在を三つ葉葵さんに教えてもらった。

まるで若く初々しい学生の如くアンニンソフトクリームを手に持って、南淵先生もソフトクリームを食べたりするのだろうか、と想像しながら駅までの路を楽しく歩いた。かくして、(元)心臓病仲間二人だけによる集まりは、春の夕刻の小雨が降り始める前に爽やかに終わったのであった。

<=PREV NEXT=>

第三回(元)心臓病仲間の集まり 開催案内

第三回(元)心臓病仲間の集まりを開催します。

第一回は7名、第二回は13名の(元)心臓病仲間が集まったが、第三回目になる今回は更に多くの仲間が集まることを確信している。術前、術後、年齢、性別、どこの病院で手術を受けたかは問わない。ご本人でも、ご家族でも、お知り合いでも結構だ。

(元)心臓病仲間の輪に入りたいと純粋に思っている沢山の方に参加して頂きたい。術前の症状や、入院、手術の体験、術後の生活など、実際の体験者による生の情報交換は間違いなく有益である。実際の(元)患者にしか分からない心境を語り合える場、それは、インターネット上ではなかなか得ることのできない価値の高い時間だ。

術前や経過観察中の方には、不安を解消して理不尽な病気と闘っていく勇気を我々仲間から得てもらえると思う。術後の方は、自分の執刀医の悪口を言うも良し、褒めちぎるも良し、お互いの体験自慢をするも良し、気になっている体の症状について相談するも良し、創を見せ合うも良し、健康一杯で取り組んでいる趣味や活動について語るも良し、心臓病になったからこそ得られる仲間の輪に入って第二の人生を一緒に楽しんで頂きたい。

◆日時: 6月26日(日) 11時30分~15時
◆場所: 神奈川県横浜市内のレストランカフェ(予算は2~3千円)

 *遠方から参加して頂ける方もいますので、希望者のみ2次会も引き続き行う予定です。

堅苦しい集まりではなくて、(元)同病同士の交流を目的としたラフな集まりです。私も含めて、初めてお会いする方が多いです。参加をご希望の方は、カムバックハートこと鍋島までメールをお送り下さい。(初めてコンタクト頂く方は、簡単なプロフィールもお願いします。)折り返し、開催場所などの詳細をお知らせします。

◆追記 (2011.5.25):開催一カ月前にも関わらず、私の予想を超える多くの方から参加希望のご連絡を頂きました。開催場所の都合などの関係で、今回の集まりへの参加希望者の募集は一旦打ち切らせて下さる様お願い致します。もし、どうしても参加したい方、特に、手術を近々控えているような方は調整しますので、ご連絡下さい。

◆追記(2011.6.6):会場のレストランの予約人数の追加ができました。MAX30名で考えています。まだ数名大丈夫です。参加ご希望の方はご連絡お待ちしています。

◆追記(2011.6.14):ほぼ定員一杯の参加希望者となりました。

◆追記(2011.6.25):いよいよ明日開催です。まだ受付可能です。もし集まりに参加してみたいという方はご連絡下さい。



<=PREV NEXT=>

考心会 平成23年度(第15回)総会 & 南淵チルドレンの集まり

考心会の総会に参加。事業報告、会計報告などを経て、南淵先生による「心臓病アンケート調査」の考察とういテーマでの約40分間のお話。アンケート調査は昨年、考心会会員に対して実施され、533人の回答を元に集計されたもの。私の回答結果もその中のサンプルの一つだ。



アンケート調査内容は、基本データ、心臓手術を受けたことについて、心臓手術後の経過について、再治療・再手術について、現在の生活について、南淵明宏医師の考察、幹事会の考察という内容を一冊の小冊子に纏めた形になっている。どの質問も心臓病患者にとって的を得たもので、その集計結果には興味を持たされる。特に、選択肢で選ばれた回答以外に、その他意見として文章で回答された個々の回答の全てを漏らさず記載しているのが素晴らしい。興味を持った質問とその回答の例を少しだけ紹介。

あなたの性別を教えて下さい?
男性 67% 女性 30% 無回答 3%

あなたが最初の心臓手術を受けた時の年齢はおいくつでしょうか?
~20歳   0.8%
21~29歳 0.4%
30~39歳 0.4%
40~49歳 6%
50~59歳 18%
60~69歳 41%
70~79歳 26%
80~89歳 4%

大和成和病院は成人の心臓病に対する病院なので、小児の症例がほとんど無いのは理解できる。だが、私が手術を受けた40歳や、それより若い人の比率が圧倒的に低いのは想像以上に意外であった。このブログを通じて連絡を頂く方は、私の年代に近い30代から40代にかけての方が多いので、世の中にはそれなりに若い世代の手術体験者がいるものだと思っていたが、絶対数から言うと圧倒的に少ないということのようだ。

また、自覚症状についての質問もあるが、南淵先生曰く、「心臓病の人に自覚症状があったかどうか?」という質問自体、一般の人には理解できない質問であるとのこと。心臓手術経験者はおやっと思うかもしれないが、確かに周りの人からすると、心臓手術を受けたのなら、術前には胸が痛くて苦しみもがいたとか、そういう重い症状を経験して手術を受けたのが当然だと思っているのだと思う。実際には、特に弁膜症の場合は自覚症状に乏しいのが現実だ。アンケート結果では、60%の人が自覚症状があったと言っているが、それ以外の40%近い人は、なんの自覚症状も感じることなく、弁に異常があるという客観的判断から心臓手術を受けたことになっている。

南淵先生の講演では、用意されたプロジェクターが故障で使えず、あの3月11日の大震災の瞬間、揺れている手術室で手術を行っていたその瞬間の映像を見せてもらうことができなくて残念であった。それは、先日の私の外来で出会ったあの彼女の手術の瞬間であったはずであるから、尚更だ。だけど、その代わりに、先生のドイツ語での素晴らしい生の歌声を聴かせて頂くことができたのは嬉しかった。

休憩を挟んで後半は、考心会幹事の方々と出席者による「考心会の今後」についてのフリー討議。かなり熱の入った討議が行われた。南淵先生が勤務先である病院を異動された後、考心会の今後のあるべき姿の検討が地震の余震のように揺れていることを知った。会を運営されている幹事の方々へのご負担がとても大きいことも認識した。あくまでも患者主体の会である考心会は、営利を目的とした会社組織ではない。考心会の運営方針は企業組織のそれとは違うはず。周りの環境の変化に例え影響を受けたとしても、「心臓手術後の生活を考える」という本来の目的を忘れず、目指すべき活動の方向性の軸を揺るがすことがなければ、今後も考心会の活動は成果を出し続けることができると思う。

ちなみに、大和成和病院、東京ハートセンター以外の病院で手術された方でも、考心会のメンバーになることが可能なようだ。現会員数約800名、年二回の講演会や、考心という冊子の受領、それから、何よりも同じ心臓手術を体験した者同士の交流を築ける価値は高い。これで、一家族年会費3000円なので、興味のある方は、考心会に問い合わせされては如何でしょうか?

今日の考心会には、(元)心臓病仲間から、三つ葉葵さん、ハンサムなTさん、遠方からわざわざ毎回足を運んでいる緑の旅人さんが参加していた。考心会のアンケート結果を見て納得したが、我々4人だけが20代~40代と年齢的に浮いている。

フリー討議が終わった後、会場の廊下で、南淵先生、深津さん、理学療法士の徳田さん、その他の病院関係者の方々とお話することができた。話は色々あるのだが、それは割愛して、全員で記念写真。深津さんが緑の旅人さんに腕をからませているのが気になる!?



考心会終了後は、南淵チルドレン4人組で近くにある中華料理屋において一献。同じ病院で同じ執刀医による心臓手術を経験した比較的若い世代の(元)患者同士、こういう仲間でなければ理解できない話は多々あり、いつもながら盛り上がる。そして、次回の(元)心臓病仲間の集まりの企画打ち合わせを行った。6月下旬か7月上中旬の日曜日に横浜付近で開催したいと思う。(詳細は後日、このブログで案内しますので、興味のある方はご連絡をお願い致します。)

宴もたけなわ、イケメン(?)男性3人に囲まれて紅一点の三つ葉葵さんが放った言葉が印象的だった。

「お産の痛みに比べたら、心臓手術の痛みは無いに等しい!」

ここから先の文章は、翌日、この言葉を思い出して私が勝手に考えを発展させたものである。

男の我々には実感できない表現であるが、共感される女性の方は多いのかもしれない。お産の場合は、その痛みを乗り越えた暁には赤ちゃんが生まれて来るという大きな喜びが対価として待っている訳だ。だから、とてつもなく大きな痛みにも耐えることができるのだろう。心臓手術、それ自体は大した物理的な痛みを実感する訳ではない。麻酔が効いているし、元々、心臓には痛みを感じる神経は存在しないらしい。胸の前面部分も痛みを感じる神経は
少ないそうだ。但し、大きく危険なリスクと、それによる精神的な不安、恐怖感は痛みよりも限りなく大きい。お産のように、何かを乗り越えればその先に素晴らしい対価が待っている、そういう状況を心臓手術についても創り上げることができれば、心臓手術というイベントに対する心構えも前進思考に変わってくるのではなかろうか。

では、心臓手術をう受けることによる対価とは何なのか?概して言うと、「術前より健康な健常者に戻れるという期待」なのだろう。但し、これには否定的な意見の方もいるだろう。元々健常者である自分がスタート地点だとすると、理不尽な病気で後退を余議なくされ、手術によって何とか元のスタート地点に戻っただけ。果たしてそれが対価なのかと。もしかしたら、後遺症や合併症の所為でスタート時点にすら戻れないかもしれない。

客観的に自分自身、そして、周りの(元)心臓病仲間を観察する限り、術後の第二の人生をスタートさせた方は、どなたも精神的にステップアップされている。それまでとは違ったモノの考え方、他人への接し方、命の大切さなどを表現したり行動で表したり、そういうことが以前より無意識の内に行えるようになっていると思う。術後発生する肉体的・精神的な変化を楽しむことができるのも我々の特権であり、心臓手術のプラスの副産物だと思う。手術を受けると決断したのであれば、その決断を少しでもプラス方向に意味のあるものにして、術後は、スタート地点より少しでも先の地点にランディング(着陸)してもらいたいと思う。

近所に住んでいるTさんと別れ、これから新幹線で帰るという緑の旅人さんと別れ、GW中の主婦業に舞い戻る三つ葉葵さんと別れ、ほろ酔い気分で私は電車を乗り継いで帰路についた。


四つ葉のクローバー(幸運、幸福)

<=PREV NEXT=>
プロフィール & メール

Author: カムバックハート

カムバックハートブログバナー

カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の49歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

心臓病仲間の輪に入りたい方や、ブログについてのご質問、お問い合わせのメールはお気軽にこちらへ どうぞ。但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めての方は簡単なプロフィールをお願い致します。

当ブログ掲載の文章と画像の無断コピー、無断転用を禁止致します。

最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
COUNTER
ご訪問ありがとうございます:

累計訪問者数:
ブログ開設: 2008年12月
お知らせ
このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード