(元)心臓病仲間のお姉さまシリーズその2

第二回(元)心臓病仲間お姉さまシリーズの集まりが真夏の週末の横浜で開催された。

お姉さまシリーズの集まりということなので、男性である私、カムバックハートはフル参加を遠慮して後半部分だけ特別参加させて頂いた。

女性患者特有の話題がある。少し聞き耳を立ててみた。

「聴診するときって、服の胸元をめくりあげますか?」
「私の場合は、先生は服の上に聴診器をあてて聴いてくれますよ~」
「え~、私の時は、服を上げるのを先生はじっと待っているみたいなので、いつもバッ~と、あげてしまいます!」

なるほど、男性患者は全く意識していない話題かも・・・



弁膜症の手術に至るまでの大半のパターンは、このブログを通じて連絡を頂いた方々から見聞きしてきた。術前の方からも沢山メールを頂く。直接お会いしてお話をしたこともあるし、そうした時間が無い場合や遠方の方にはメールで私にできる限りのアドバイスや気持ちの持ち方をお伝えしたり、また、私以外の同じようなケースの(元)患者を紹介して直接連絡をとってもらったりもした。

弁膜症を患っているがまだ手術適応ではない。いや、もしかしたら適応かもしれないけど、自覚症状がなく、一体自分はどうするべきなのか判断に真剣に悩んでいる。今回のお姉さまシリーズの集まりで、そういう方の話を直接聞いた。

心臓病経験者と連絡を取っても、「手術を受けるのか受けないのか。受けるのならいつどこで受けるのか」。そうした検討のステージの真っ只中に置かれている方の本当の心情というものは、たとえ同じ心臓病を患ったものであっても実感できない場合もあるかもしれないと思った。

彼女の場合は、二人の医者からはまだ経過観察で良いとの診断。ところが別の医者からは狭窄と逆流の両方があるので早めに手術をした方が良いとの診断。ご自身には自覚症状は無い。(もしかしたら、自覚症状は無いと思われているだけなのかもしれない。)

それは、単純に逆流の程度が何度レベルだから手術適応、まだそこまでいってないから経過観察と医学的に簡単に割り切れるものではない。仕事のこと、周りの人達のこと、自分の将来のことなど、手術を単純に受ければ良いと勇気を出して決断するだけの単純な話ではないということだ。

私のように既に手術を受けてしまった(元)患者の視点から言うと、早く受けた方が楽になって良いのになぁ~と思ったりする。だが、それは必ずしも、主体的、かつ中立的なアドバイスではないということに気付いた。

手術に至るまでの過程は人さまざま。

・先天性の心臓病と向かい合って成長されてきた方
・大人になってから心雑音を指摘されて何年もの経過観察を続けてきた方
・健康診断や風邪で訪ねた内科医からの突然の心臓病宣告、その宣告から数週間から数カ月で手術を受けるに至る方
・感染症心内膜炎で、ある日突然継続的な発熱、原因不明といわれながら意識不明に。意識が戻った時は弁置換手術が終わった後だった方・・・などなど。

心臓病は誰にでも起こりうる病気。ある日突然、挨拶も無く人の体の中にずけずけとやって来る。それまでどんなに健康に気を付けている方にも突然起こりうる。悪いことをしたからバチがあたったという訳でもない。理不尽さの極めかもしれない。いやいや、世の中にはもっと理不尽なことは沢山あるかな。

一旦機能低下してしまった心臓は、たとえ機能修復しても、元の心機能を取り戻せないこともあるらしい。手術を受ける時期の見極めは大事だ。

「経過観察して、もし心不全で倒れたら、その時に手術すればいいから」と言ったという医者の発言だけは全く信頼できない。

最後は結局自分で決めるしかないのだ。

術前の今の生活と心臓の負荷、それと、術後の環境や体のQOLを天秤にかけながら、信頼できる医者の診断をよりどころに、大事な時期だけは決して見逃さないようにして頂きたい。

お姉さまシリーズの取材報告からはちょっと脱線したが、本線の報告はまとめ役の三つ葉葵さんに委ねたい。

ということで、お姉さまシリーズに興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

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たかしげさんのペースメーカーの植込み手術

たかしげさんについては過去の記事で何度かご紹介してきた。30数年前の大動脈弁置換、そして、昨年の再手術。6月3日の(元)心臓病仲間の集まりではとても顔色の良いたかしげさんのご様子を拝見していたのだが、その後、こんなことが起こっていたとは・・・

心臓手術は当然の事ながら全身麻酔下で行われる。麻酔が効いて意識が無くなってから、手術が終了してICUで眼が覚めるまでに、一体どれだけの時間が経過したのか、一体どのような治療が自分の体に対して行われたのか、手術がうまくいったのかどうかさえも実感することはできない。

ペースメーカーの植込み手術というのは、部分麻酔なので、処置の一部始終が実感できるようだ。これはこれで良いのやら、知らずに終わってくれた方が良いのやら・・・弁の手術を受けた後、暫くしてからペースメーカーを埋め込んだという方も結構いらっしゃるので、たかしげさんの体験記をご参考にして頂けたらと思う。

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 サイボーグのバージョンアップ  (ペースメーカーの植込み手術)

30年ぶりに心臓弁の置換、リング形成、大動脈を人工血管に置換するよう宣告され13時間余の無我の境地から甦ったのは東北大震災の二カ月後だった。

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プロフィール & メール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の48歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

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ブログ開設: 2008年12月
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このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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