術後三十五回目の外来(稲波脊椎・関節病院)

3か月毎の外来では90日分の薬が処方される。外来の間隔が微妙に3か月を超えたりすると薬が途切れてしまうのだ。飲み忘れはほとんどない私なので、手元に余っている薬もない。東日本大震災発生時には、薬の流通を止めないように必死に調整を取ったという大手製薬会社の方の話を直接聞いたことがある。とはいえ、自らが病院や薬局に行けなくなる事態もあり得るので、普段の飲み薬は多少多めに常備して置いておきたいところである。(ワーファリンのような重要な薬でなければ、通常、1週間くらいは飲まなくても薬の効果は継続するらしいので、あまり神経質になる必要なないと思います。)

薬が途切れる寸前の今日の外来。朝起きると、右目のまぶたが大きく膨らんでいる。ものもらいだろうか。まずは心臓の薬をもらわなくてはならないからと南淵先生の外来に向かう。南淵先生に目の症状を伝えたとしても、「僕は心臓のことは専門だけど、ほかの病気のことは分からないなぁ」というセリフが発せられるであろうことがこれまでの(元)心臓病仲間の会話から想像される。

ところが、診察室に入るなり直ぐに南淵先生が薬の事典のような本を眺めだしたではないか。「ネコの病気に効く薬はいくらでも知っているんですけどね」「ネコでもなんでもいいですから、効く薬なら是非処方してください」ということで目に入った細菌の感染を防ぐ抗生剤を処方してもらえたのである。たまたま最近仕事が忙しくて外来後もすぐに会社に行く必要があったので、眼科に行く手間と時間が省けて大いに助かった。(翌日、念のため眼科の診察を受けて点眼薬を処方してもらいました。)

外来は、8時45分に受付、9時には検査終了、10時に会計まで終了という超ハイスピード。稲波脊椎・関節病院に隣接している友愛薬局の対応もこれまた早くて10分ほどで薬を用意してもらえた。(いつもはTomo'sに行くのですが、30分~1時間くらい待たされるので)

余りに早く外来から解放されるので、その時間に街中に出て行ってもレストランのランチをまだ開始していないのが、実はちょっとした悩みなのである。


外来仲間


稲波脊椎・関節病院に隣接する友愛薬局

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たかしげエッセー 『中学卒業マラソンと喘ぐ心臓』

(元)心臓病仲間の集まりの常連参加メンバーであり、仲間の間では一番ご年配のたかしげさんからエッセーを頂きました。先日開催した集まりで話題に上ったマラソンをテーマに2007年に書かれたものに今回加筆を入れられた文章です。
カムバックハート

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『中学卒業マラソンと喘ぐ心臓』

 中学校は神奈川大学の南東の小高い丘の上にあり、周りは民家に囲まれて、遠く東側は横浜の港方面が眺望出来る学び舎たった。
昭和二十五年、世の中も終戦から少しずつ落ち着きを取り戻し、学校の行事も多く取り入られるようになってきた。卒業も間近になった二月の寒い日、校庭には全校生徒が運動着を着て集まり白一色でこれから恒例の「全校マラソン大会」がスタートする緊張の一瞬だった。ワイワイガヤガヤ、お喋りと吐く息が白く湯気のように生徒の頭上に漂っていた。僕もこのなかの一人だった。当然、健康な生徒のみの参加で体調の悪いものは決して無理して参加しないようにと厳しく注意されていた。
「心音が異常だ」と校医から運動を厳しく止められていた入学当時だったら参加しなかったかもしれない。バスケットボールや水泳で暴れまくり過激極まりなく体を動かしている。担任の先生は女の先生だけれど、僕が日ごろ元気にしているからかマラソンを走ることに何も云わなかった。

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第十二回(元)心臓病仲間の集まり 開催報告

第十二回(元)心臓病仲間の集まりはいつもの要領で開催された。梅雨時ながら快晴。会場に隣接する公園の緑が生えて空気がすがすがしい。気候と参加者の熱気による相乗効果で会場の室温は急上昇。

今回の参加者は、術前の方が1名、大動脈弁置換術9名、大動脈弁形成術1名、自己弁温存大動脈基部置換術(デイビッド手術)の方が1名、僧帽弁置換術5名、僧帽弁形成術13名、バイパス手術1名でエントリー人数は27名。(手術は重複を含む)



各自の自己紹介・近況報告の後、自由歓談の流れもいつもと同様。メンバーの顔触れは、いつも全体の3分の1程は初めて参加して下さる方、残りは毎回参加の常連メンバーであり、2年振り、3年振りに突然現れるメンバーもいる。連続参加のメンバーの顔が見えないと、「あれっ、〇〇さん、今日は来てないの?」という声があちこちであがる。

初めて参加申し込みするときは皆さん多少勇気がいるようだ。だが、一度参加してしまえば打ち解けて下さる方ばかりだ。術前に、多くの同病の手術経験者の話を本音で直接聞ける機会は世の中に滅多にないと思う。インターネット上で得られる情報だけではない本音の情報の価値はとてつもなく大きい。実は、この集まりの価値が一番高いのは、術前の方にとってではないかと思う。これからも沢山の術前の方に参加してもらいたい。そして、そういう場を一緒に作ってくれる術後参加メンバーの方々に感謝。

心臓手術後のほとんどの方は、何かしらの薬を処方されて毎日飲まれていると思う。ファーファリンのように機械弁や不整脈によって発生する血栓を防止するために飲むのが必須である薬や、バイアスピリンのようにどちらかと言うと生体弁置換や形成術後の弁の劣化予防的に飲む薬がある。各自の術後の体調や症状に応じて医者が判断し処方する。中には、薬はもう飲まなくても良いと医者から言われて、「薬フリー」になる方もいる。実は仲間の方からそういう話を良く聞く。今日の参加者にも数名いた。元々体内に取り込まなくても良い「薬」という人工物を、病気が進行するリスクと予防してくれるかもしれない効果を天秤にかけて判断された結果、あえて飲んでいるのだから、「薬フリー」になれるのは羨ましいことだ。だが、多くの人が薬を当たり前のように飲んでいる状況で、自分だけ飲まなくても良いと医者から言われたことに対して逆に不安を感じてしまう心境があるということを今日の参加者の会話で知った。医者の話を良く聞くのと、自分の体に客観的に問いかけて様子も見ながら決めていけばよいのかなと思う。

(元)心臓病仲間のポートレート展(写真展)の実現に向けて作品を撮っている。歓談中に参加者数名を会場外の緑の美しいあらかじめ決めていたロケーションで撮影させてもらった。ご協力頂いた(元)心臓病美人モデルの皆様、ありがとうございました。



二次会はほとんどのメンバーが参加しての中華街での夕食。昼間は用事で都合のつかなかったが二次会だけでも参加したいとわざわざ駆けつけてくれた参加者が二名加わる。やはり一次会で固い雰囲気だった初回の参加者も二次会になると打ち解けてくる。



更に、久しぶりに行った三次会は、バー発祥の地、横浜中華街の中でも老舗風のバーへ。女性六名に男は私一人という、これまた参加し損ねた男性陣にとってはうらやましい状況でした。



参加者の皆さんが集まりで感じられたことをコメント欄にお送り頂ければ幸いです。

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Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の49歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

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ブログ開設: 2008年12月
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このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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