強い患者

患者さんは強い。

南淵先生のブログにある「勇患列伝」を読めば、心臓手術を受けるに至った患者さん達のエピソードが幾つも語られている。それは心臓外科医の視点で見た強い患者さんの在り様だ。

患者であった私の視点からも、この人はほんとに強い患者さんだなぁと感じる出来事があった。

私の入院中に出会ったとある方がその人である。その時は心臓の手術を受けるために同じ病院に入院されていたのだが、それまでにも何度か別の病気の手術も経験されてきたらしい。正に手術を受ける側のプロ。

入院生活や医者・看護師に対する対応が板についている。不安一杯で入院生活を始めた私に気さくに声をかけてくれたり、食事後の片づけの仕方などの手順を教えてもらったりして、とても頼りになる先輩患者であった。

なぜ、私がその方に患者としての強さを感じたのか?

実は一度だけ、その方が弱音を吐いたのだ。「こんなに病気ばかりして、どうして自分は生まれてきたのか分からない・・・」と。面と向かってその言葉を受け聞いた私には、その時、返してあげる言葉は出なかった。自分も心臓手術を受ける直前の不安な状態、他人のことをフォローしている余裕は全然なかった。

その唯一の正直な弱音の発言があったからなのか、逆にその方の普段のとても前向きな行動や言葉、容姿が患者としての強さを私にはとても印象的に見せつけていた。実は今でも当時のご様子が脳裏に浮かぶのである。

その方の受けられた手術は、大動脈瘤を大動脈弁に弁置換、僧帽弁を形成、同時にバイパスを2本繋ぐ大手術。実は、心臓の手術を受ける必要があると分かった時、同時に脳にも瘤があることが分かり、心臓を先に治すか、脳を先に治すかという選択もしなくてはならない状況だったそうだ。心臓を治された後、今度は、脳のカテーテル治療に向かわれた。

退院後、一度再会した。常に前向きで、生きていることをありがたく一日一日を大切にされているそのご様子は不変であった。

病気になることは理不尽なこと。しかし、それは、天によって決められた人生における原因と結果が結びついたもの。それを受け入れ、ポジティブに立ち向かうことのできる人はその後の結果をも良い方向に引き寄せることができるような気がする。

<=PREV NEXT=>

⇒comment

Secret

みなさん、
今日はお疲れ様でした。

また来月宜しくお願いします。

これから中華街へ行ってきます。

考心会

越後人さん、遠方からの考心会への参加、お疲れ様でした。
今日のことは後ほど記事にしてブログにアップしますね。
また来月の再会を楽しみにしています。
プロフィール & メール

Author: カムバックハート

カムバックハートブログバナー

カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の48歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

心臓病仲間の輪に入りたい方や、ブログについてのご質問、お問い合わせのメールはお気軽にこちらへ どうぞ。但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めての方は簡単なプロフィールをお願い致します。

当ブログ掲載の文章と画像の無断コピー、無断転用を禁止致します。

最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
COUNTER
ご訪問ありがとうございます:

累計訪問者数:
ブログ開設: 2008年12月
お知らせ
このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード