「一途一心、命をつなぐ」 心臓外科医 天野篤

昨年暮れに発行された天野篤先生の単行本、「一途一心、命をつなぐ」を遅ればせながら読んでみた。

心臓病を患った方やそのご家族、術前術後の方を問わず、お勧めの一冊である。というか、お勧めでなければこのブログで紹介することもない訳で当然なのだが。

天野先生の名前を初めて知ったのは、私が心臓手術を受ける直前に南淵先生の本を読んだ時であった。術後、このブログを通じて連絡を頂いた(元)心臓病仲間の方の何名かが天野先生の執刀で心臓手術を受けられていて、なんとなく興味を持っていた心臓外科医の一人である。

昨年2月の天皇陛下のバイパス手術で盛んに報道がなされ、NHKのザ・プロフェッショナルでも天野先生の特集番組が放映されたが、私個人としてはそうしたテレビ番組以上に、今回の単行本を読んで得た天野先生に対する理解や知識の方がはるかに大きかった。

共感したり、気になったり、思わず感動してしまった文章が随所にあった。それは(元)心臓病患者であるから尚更強くそう感じたのだと思う。

詳しい内容は本を読んで頂くとして、少しだけご紹介すると・・・例えば、先天性の大動脈弁弁膜症の19歳の少年とその母親の話。「お母さんを解放してやれ!」からは天野先生の人柄が伺える。私の場合は先天性の心臓病ではなかったが、心臓病患者とその親の気持ちについては感じることがあるのでいつかこのブログで記事にしたい。

天皇陛下のバイパス手術での東大と順天堂大の合同チームの話。天野先生一人が執刀医として東大チームのメンバーの中での手術に向かったのだと思っていたが、実は、助手の外科医や手術室看護師、麻酔医やICU看護師など、周りのスタッフを10人も順天堂大から引き連れて行ったとのこと。合同チームと言うよりは実質的に順天堂大が天皇陛下のバイパス手術を行ったのだと分かる。

民間病院で修行し、幾つかの過程を経て、大学病院の教授に就任された訳だが、何故民間病院から大学病院へ?という疑問も解けた。天野先生による順天堂大学病院の革新の様子は医療に関わらず世の中で仕事を行う上でとても参考になると思う。

手術中にピンチの状況になった時に、手術室の天井から様子を俯瞰して次にどうするべきか指示を出している別の自分がいるという話は、同じようなことを南淵先生も語っている。

子供の頃からプラモデルを作るのが得意だったという話。日頃から全てのことを手術に結び付けて訓練を行っているということ、などなど。

昨晩、一気に読んでしまったが、今日、また読み返したいと思うくらい印象深い本であった。もし術前、まだ南淵先生とお会いする前にこの本が世の中に存在していたら、天野先生の執刀を希望していたかもしれない。

まだこの本を読まれていない方は是非ご一読をお勧めいたします。

「一途一心、命をつなぐ」「一途一心、命をつなぐ」 飛鳥新社 
 心臓外科医 順天堂大学医学部教授 天野篤




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Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の48歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

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