内科から外科へ

近い内に、仕事で再び海外赴任のチャンスが訪れそうな気配を勤め先で感じていた。そうなれば、早晩、会社の赴任前健康診断で現在の弁膜症の状態について明確にする必要がある。であれば、まずは自分で自分の状態を知っておこうということで、ようやく病院へ出向くことに・・・

特にどこの病院が良いのか調べた訳でもなく、近場にある川崎市立病院に行ってみる。心臓血管外科を受けたいのだがと受付で伝えるが、紹介状もなくいきなり心臓血管外科では診てもらえないとのこと。まずは、内科で診察して下さいと言われる。内科医の診察、レントゲン撮影、採血、採尿。そして、その翌週、心エコー検査の予約が取れ、別の日に再度出向く。通常であれば、再び、その検査結果を聞くための診察を別の日に受ける訳だが、幸いに心エコー検査を行ってくれる医師が担当の内科医であったため、検査を行った直後、その場で、逆流が重度レベルであることと、手術を考えるべき段階であることを伝えられる。

すぐに手術に向けて動き出すか、若しくは、あと半年、継続観察するかの選択肢を与えれる。しかし、弁膜症は自然に治ることはなく、遅かれ早かれ手術を受けなくてはならないという覚悟は頭の片隅に以前からあったので、手術すべきなら早い方が良いだろうと思い、手術を受ける方向で決断。

それでは、「外科に紹介状を書きますので、次回までに希望の病院を考えてきて下さい」とのこと。普通は同じ病院か系列の外科に自動的に紹介されるべきところ、「今の世の中、患者が病院を選ぶ時代なので、あなたが手術を受けたい病院を決めて下さい。もちろん、うちの病院でもできますよ」と、そこの内科の先生がおっっしゃっていたのが印象的であった。

2008年4月6日付の読売新聞に全国の心臓外科手術件数の資料が載っており、たまたまその記事を手元にファイリングしてあった。2007年実績において神奈川県で1番、全国でも4番目の手術件数を誇る大和成和病院宛てに、紹介状を用意してもらうことにした。(ちなみに、2008年の成人に対する手術件数実績では、冠状動脈バイパス手術では278件で全国最多、弁膜症手術では274件で全国第二位だったそうだ。)

川崎市立病院の内科の先生曰く、「僕はあなたの体を何も治療できなかったけど、大和成和病院の先生ならちゃんと診てくれるでしょうから、大丈夫ですよ」。良い先生であった。

実は、手術に対する不安と恐怖は、この頃がピークであった気がする。手足、指先の力が抜けてしまって、仕事で会社のパソコンのキーボードをたたたくのも、力が入らず、足が地につかずのフワフワした感じであった。

心臓手術は、全国で年間に約4万件(ペースメーカー手術を除く)行われており、その半数が冠状動脈バイパス手術、残りの2万件の内、1万5千件が弁膜症手術。更に、その弁膜症手術のなかで、僧帽弁の手術は年間7千件程らしい。今年の7千人分の1億2千万人の確率に当たってしまった訳だ。単純計算だと、0.00006%の確率。人生80年としても、0.0048%の確率。運が良いのやら悪いのやら・・・??

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Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の48歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。

このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

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