小さなバーでのミニ集まり

遠方の外来仲間が定期的な外来診察で都内にやってくるスケジュールに合わせて、南淵先生の手術を受けた我々の仲間が経営する都内のバーに集まって飲もうではないかという企画が沸き上がった。

心臓手術経験者の会話内容の特殊性が今回もにじみ出ていた。それは少し場を離れて客観的に、例えばトイレの個室で聞き耳を立てるなどすれば明らかになる。心臓手術を体験していない方には理解しがたい会話の数々が、今宵集まった心臓手術経験者にとっては深く陶酔の域に達するまでの共感を感ずることがある。お酒のせいもあるのかもしれないが心地の良い雰囲気を生んでいた。

心臓手術を終えるまでに至る過程で大変なことは、第一に本人が病気と向き合っていかなければならないことであるが、時としてそれ以上に患者の家族の理解を得ることの難しさもある。(元)心臓病仲間による話やブログで体験談を発信されている方の記事などからそれが伺える。「手術は終わって退院できたんだから、もう以前より元気になったよね」という意味合いのプレッシャーを含む言葉をかけられることが珍しくない。

心臓手術は手術を受けたらそれで完治という簡単なものではない。術後、すぐに体力が増してきて急に元気になる方もいれば、調子が上がってくるまでに半年や1年、中には3年もかかる方もいる。薬の処方内容や外来の間隔、検査内容も人それぞれ。スタンダードはあっても無いようなものなので、細かい点を他人と神経質に比べてもあまり意味がない。ましてや、心臓手術直後の人の体調を一般の健常人と比較され、「病気だったけど手術で治ったはずだよね」とゼロイチ的に判断されると、判断された側の心境は難しいものに陥る場合がある。また逆に、「心臓の病気をしたんだから、大変だね」と元気になっているのにいつまでも気を回されるのも望みたくない状況であったりする。

男性と女性の(元)患者による違いもあるかもしれない。男性は退院して家に帰っても、家族がいる状況であれば初日から早速家事にとりかかる必要はないだろう。飯、風呂、布団と誰かに声をかけるだけで事足りてしまう。しかし女性の場合はそうはいかないことが多い。特に一家の主婦の場合は、家事という労働が直ぐに待ち構えている。家事をできない男性、家事は女性が行うものと観念的に決め込んでいる男性も多い。術後、退院しても胸骨の痛みはしばらく続く。くしゃみをするなんてことは胸の骨が相当引っ付いてくれてからでないと痛みが恐ろしくてできない。そうした状況でも、胸骨の痛みをかばいながら家事をこなさなくてはならない方も多いようだ。(男性である私がこういうことを書いていても臨場感に欠けるのではあるが・・・)

術後、早期に退院が決まることは順調な回復の証拠としてありがたいことである。しかし、家に帰っても直ぐに家事作業が待ち構えているような女性、家族に家のことを任せるのが苦手な女性は、少しばかりなら入院を継続して心臓リハビリに精を出すのも悪くないかもしれない。

今日の(元)心臓病仲間による酒宴は、術後僅か1カ月で参加してくれたMisaさんをはじめ、ココさん、バードさん、マッチさん、Oさん、マダムアリスさんと、例によって南淵先生の悪口(?)あり、尊敬の言葉あり、とにかく医者と心臓のことをネタにしていれば話が尽きることなく盛会に終わった。



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行く予定でしたが 仕事のスケジュールで行けず ブログ楽しみにしてました!

いつもと違う場所での集まりも 面白そうですね!

No title

ヒメノさん、最近お会いできませんね。次回楽しみにしています。
ハート仲間のお店ということでリラックスできて、居心地よく楽しかったですよ。

心地良い会話

寒い夜でしたが、気持ちはポカポカと温かくなりました。
久々のハート仲間とのtalkは、やっぱり心地良い(*^^*)
プラス脳卒中科入院体験話、お兄様、お姉様の日常の内容talkもなかなかの濃さで笑いが連発("⌒∇⌒")
プチオフのきっかけを下さったバードさん、COCOちゃん有難う!
そしてそしていつもながら、カムバックハートblogに感謝感謝です。
(*^o^)/\(^-^*)

楽しそう!

素敵なお店ですね~!
皆さん盛り上がってますね♪

家族との行き違いはどうしても生じますよね。
特に家事は普段から火種ですしw

あと女性は、嫌だった事ほどいつまでも覚えてるって人が多いんですよ~(私調べw)
夜寝る前とかに、嫌なことが頭から離れなくなったりして(好きでやってるわけじゃない)ストレス超高いので、自律神経に悪影響。
色々あるので、可能であれば、女性は少し長めに入院したらいいんじゃないかと思いますね~。

処置が必要ないから退院するのであって、動けるから退院するわけじゃないんですからね。
でも家族は早く治ってほしいと思ってるから、治ったことにしちゃいたい部分もあるのかなと。でも痛いんだってば(苦笑)

最近出会う方々

マダムアリスさん、

いつも仲間の輪の中心で盛り上げて頂きありがとうございます。
アリスさんは我々(元)心臓病仲間における頼もしいお姉さまです。

ゆきにゃん、

今回のブログ記事の内容については、ゆきにゃんのブログに書いてあったことが頭にありました。手術が終わってもすぐに調子が上がってことないにも関わらず、周りから(特に配偶者)からはもう元気だよねというプレッシャーがかけられる、そういう方が少なくないなというのが最近出会う方々から受けた印象です。そういう方にはゆきにゃんのブログ記事を紹介することにしています。
次回は一緒に集まりましょう。
プロフィール & メール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の49歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

心臓病仲間の輪に入りたい方や、ブログについてのご質問、お問い合わせのメールはお気軽にこちらへ どうぞ。但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めての方は簡単なプロフィールをお願い致します。

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ブログ開設: 2008年12月
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このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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