手術から21日目

大和成和病院でダビングしてもらった自分の心臓手術のビデオ、しばらく観ないだろうと思っていたが、観てしまった。案外、冷静に、興味深く・・・ひょっとしたら、途中で気持ち悪くなるかと思ったら、そんなこともなく、つぶさに観察できた。

まずは、胸の皮膚を縦に電気メスで切り開くシーンから。始めは少々痛々しいが、だんだん慣れてくる。皮膚が切り開かれて、次に、胸骨を切り開く時、どんな風に切るのかと思ったら、、結構、荒っぽく小型の電気ノコゴリ(?)で、ギコギコと切り開いている感じ。。。短時間であっという間に切り開かれる。

開胸器をはめて、切った胸骨を左右に開く。そして、更に、心膜を切り開いて、いよいよ心臓とご対面!元気に鼓動しているではないか。唯一、人体の中で鼓動する臓器。まるで心臓自体が一つの生き物のようだ。いつまで見ていても飽きない気がする。まさにこれが私の体の中で40年間も休むことなく動き続けてきた自分の心臓なのかとマジマジと見入ってしまった。

心臓の表面を黄色い脂肪が覆っている。こんなところにまで、脂肪が付くとは・・・折角辛い思いして胸開いているんだから、ついでに脂肪も取ってくれればいいのにと思って見ていたが、残念ながらそれはしないようだ。

人工心肺の管を着々と取り付けて、心停止液を掛けられると。元気に動いていた心臓が、フニャフニャになって、鼓動を止めた。一瞬で止まる訳ではなくて、徐々に鼓動がゆっくりになってきて止まる感じ。(再鼓動の際も同様。)そして、心停止。この間、人工心肺にて全身に血液が送り込まれている訳だが、差し込まれている送血管と脱血管が抜けやしないかと、ちょっと心配。

その後、僧帽弁に到達する為に、心臓のどこかの部屋を切り開いているのだが、どこの部分から僧帽弁にアクセスしているのかはよく分からなかった。そして、白い僧帽弁が見えた。左手でピンセット、右手で長いハサミのような器具を用いて、糸と針を匠に操る、不具合箇所を切り取って縫い合わせ、半円状の弁輪を取り付けて、心臓を閉じた後、心臓の再鼓動。無事、元気に動き始めた。不思議なものだ。

心膜を縫い閉じて、胸骨の周りの細かな出血を処置。この辺りはまるでおいしそうなスペアリブのよう!そして、胸骨をワイヤーで締める。針金のようなワイヤーだが、あんなのが体の中に残っていて大丈夫なのかと思ってしまう。そして、皮膚を丁寧に縫い閉じて、終了。約3時間の映像であった。

手術中の作業の流れはとてもリズミカルでスムーズ。時間的な淀みが全くなかった。術者の手は留まらず常に動いており、周りのスタッフが次に何をやるべきかをよく認識し、阿吽の呼吸で応えて手術を進行している感じが素人の私にも見て取れた。

手術って、本当に手で行う技の世界なのだと認識。そして、完全にアナログの世界だと思う。だから、術者の技量が結果にもろに反映されるのだろう。

このビデオは、私にとって、貴重な財産になりそうだ。人生、へこたれそうになったら、これを見て、再起したことを思い出せば良い。

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Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の49歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

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このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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