心臓手術後の心境

心臓手術を受ける前の不安とその克服の体験を前回書いたが、今回は、心臓手術後の心境について書きたいと思う。

まず、手術を受けて、ICUで目が覚めた後、どんな心境だったか?

今から思えば、「充実感」や「達成感」を強く感じていた。南淵先生が本に良く書かれている、「エンドルフィン」(脳内麻薬の働きによって、少量のドーパミンの分泌だけで安全な快感や覚醒作用が得られる物質) が沢山分泌されていたのだろう。酒を飲んで、ほろ酔い気分になっている時の気分に近いものがあった。目が覚めてからの意識はかなりはっきりしており、それ故、ICU滞在中の印象はとても強く心に残っている。担当して頂いた看護師さんは、それこそ、命の恩人かのように見えてしまう。
ICUの壁に掛っていた金色の壁時計の針が、夜11時を指していた光景がなぜか脳裏に深く刻まれているのだが、その理由は分からない。

術前は、心臓の病気のことを他人に隠してきたが、術後は隠す必要は感じない。むしろ、積極的にこの体験を伝えたい。ネガティブな印象は払拭され、心臓病から完治して以前より元気になったことをアピールしたいのだ。そして、今後も、アピールし続けなくてはならない。なぜならば、僧帽弁形成術によって生還した一サンプルのその後を世の中に知らしめることによって、同じ病気の方の不安を減らすことができるかもしれないからだ。これは、順天堂大学病院で天野篤先生から僧帽弁形成術を受けられた私と同世代の松本良順さんとの共同作業になることだろう。

これから心臓手術を受けるかもしれない人達の不安や恐怖を取り除くためのお手伝いをすることによって、そこからまた新たな達成感を私自身が感じている今日この頃である。最も、私は、医者ではなく、ただの心臓手術経験者であるに過ぎない。日進月歩の医療技術に対して、時代遅れの体験談の提供に執着してしまわないよう注意すべきであろうということは、意識しているつもりだ。

<=PREV NEXT=>

⇒comment

Secret

No title

松本です。おほめのことば、ありがとうございます。

自己中で大馬鹿者の私ですが、やはり術前は自分の病名を人に隠していました。病気の事を言うと、それだけで自分の競争力がそがれると自己規定していたからです。
いまは違います。初対面の人にも自分の病気の話をします。
すると、けっこう心臓にステントをいれたとか、バイパスを数本入れたとかという話をききます(主に年長者からですが)。
それでお互い健康談義が弾み、先輩方の体調管理法や気分の持ち方も学べ、非常に勉強になっています。

恨み深い性格でもある自分は、正直今でも「なんで俺を病気にしやがった!」と何かに憤ることがあります。また、憤りがないと前進していけない性格でもあるので、胸の傷は死ぬまで消さず、臥薪嘗胆の気分でいこうと思っています。

・・・でも、病気してなかったら、自分の本当の性格を人前に出すことはなかったとも感じています。けっこう仮面をかぶるほうだったので、ふっきれたことは幸せでした。

今日で、術後半年です。

今日で、丁度手術から半年です。早かったです。入院して手術した日が、はるか遠くの日のように感じてきました。

この病気して得したことって、確かにありますね。病気を通して出会えた人がたくさんいること、一度死んだようなものだからと割り切って普通なら躊躇するような行動に出れること、などなど。

これからも、お互い頑張りましょう。

No title

こんばんは。その体験談によって、術前の不安が取り除かれた私は、術後はお二人と同じようにその体験によってこれから心臓手術を受ける方々のお役に立ちたいと思ってます。おっと…まずは自分の手術をがんばらねば(苦笑)

がんばってください

MR.ARさん、

超ポジティブ&アグレッシブな松本良順さんと、
温厚な私のアドバイス(?)、お役に立てたのであれば嬉しいです。

手術頑張って下さいね。我々、応援しています。
元気になられたら、体験など、色々書きこんで参考にさせて下さい。

7月上旬に・・・・・・

ブログ時折拝見していました。先週17日にカテーテル検査を終えて…7月上旬に手術をします僧帽弁閉鎖不全症です今、正に心臓バクバクで恐怖と闘っています!!またブログにお邪魔しますね。頑張ってきます!!

頑張ってください

あつこさん、コメント頂きありがとうございます。

来月上旬に手術とのこと、入院前のこの時期が一番落ち着かない事と思います。入院しちゃえば、あとはもう波にのるだけなので、不安も恐怖も全く消えうせてしまうんですけどね。

私やいつもコメントをくれる松本良順さんなど、たくさんの僧帽弁手術仲間がいますので、もしご質問などありましたら、メールでもコメントででも、お送り下さい。我々でお役に立てる範囲でしたらいつでもアドバイスなどさせて頂きますので。。。

では、手術の成功をお祈りしております。

7/3に手術をして7/15に退院しました

こちらに書いてある事にどれだけ勇気付けられて手術に挑んだ事かありがとうございました。私も僧帽弁閉鎖不全症の形成術でした!しばらくワーファリンを服用します。退院後は2錠でしたらこの前の外来の採血結果からまた1錠増えて3錠です。おまけに脈拍が90/分って事でアーチスト錠が0.5/日も増えました。

外来の時も「心臓が踊る?みたいな感じになる」ってdrに言ってみたけど…「心臓が元気な証拠」って軽く流されてしまいました。手術1ヶ月後そんな症状ありませんでしたか?それと…呼吸の時に必要以上に空気を吸ったり(呼吸のタイミングが合わない)しませんでしたか?
この2点の違和感がどぉ~もしっくりいかず…デス


No title

あつこさん、お久しぶりです。
その後、無事に手術を終えられて、順調に回復されている様子、何よりです。

私も、術後は、脈拍がかなり速かったです。100回/分くらい。術後、半年を過ぎてやっと平常時90回/分をきるくらいになってきました。それでも術前は70回/分程度だったので、まだまだ心臓は元気すぎるようです(笑)。松本良順さんも私と同じようなことをおっしゃってました。脈拍が速くても苦しいわけでもないので、全然気にしていません。術後最初の一年くらいは慣らし運転みたいなものなので、術前に比べると色々と体の違いがあるようです。(心臓手術を受ける一般的な人と比べて)若い人は、術後、比較的心臓が元気になりすぎる人が多いのかなと感じています。

呼吸のタイミングについては、あまり意識したことないですね・・・

また、ご回復の状況など、是非お知らせください。
プロフィール & メール

Author: カムバックハート

カムバックハートブログバナー

カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の48歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

心臓病仲間の輪に入りたい方や、ブログについてのご質問、お問い合わせのメールはお気軽にこちらへ どうぞ。但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めての方は簡単なプロフィールをお願い致します。

当ブログ掲載の文章と画像の無断コピー、無断転用を禁止致します。

最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
COUNTER
ご訪問ありがとうございます:

累計訪問者数:
ブログ開設: 2008年12月
お知らせ
このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード