術後十二回目の外来

今日は、想像と期待を遥かに超えた一日だったかもしれない。新しい環境での再会と新たな出会い、そして、ドラマ・・・

東京ハートセンターでの初の外来検査・診察を受けに行った。午後の時間帯の予約であったことと、病院の場所が勤務先の会社により近くなった為、外来の日に仕事を丸一日休まなくても、半日休暇だけで済むようになった。山の手線のJR大崎駅から病院のホームページに載っていた写真入りの地図を片手に、大崎病院 東京ハートセンターの建物を目指す。途中の目黒川の景色がなかなか素晴らしい。もう少し早い時期であれば、桜が満開で最高だっただろう。

病院に到着。受付嬢二人。受付でカルテに記入し、大和成和病院からの紹介状と保険証を提示。穏やかな雰囲気の病院だなという第一印象を持った。検査は、身長・体重測定、血液検査、心電図、胸部レントゲンと心エコー。事前に三つ葉葵さんから聞いていたのだが、検査室も待合の場所も狭い。都内特有の立地条件の為か、郊外にある大和成和病院に比べると狭くて多少圧迫感があるのは否めない。検査や診察待ちの人が、受付ロビーのソファーのところにも座っている。検査は手際良く迅速に済んだ。唯、心エコーの検査を行っている時間がいつもより少し長く感じたのは気のせいかな。

病院に一歩入った瞬間から、どうしても、これまで通っていた大和成和病院と色々な面を比較してしまう。大和成和病院はスタッフの数が多かったのか、外来の廊下を看護師や技師や医者が良く頻繁に歩いていた。今日の東京ハートセンターは、午後だったせいかもしれないが、病院関係者の方が外来フロアーを歩いている様子はそれほど見かけなかった。大和成和病院の外来検査では、検査の手順や施設の場所、技師の方の検査のやり方、患者に対する接し方なども既に頭に入っていたので、いつも非常にリラックスしていた。初めての病院だと同じ検査でも、わずかな手順の違いがあるだけでも、そこにこれまでと違う違和感を感じてしまう。全ての検査が終わって、改めて結論を言うと、不満は全く無く、これまで通りのリラックスできる手際の良い検査であったのは間違いない。次回は、検査室の場所や手順も理解しているので不安はないだろう。

実は、普段飲んでいる服用薬が今週の月曜日で切れてしまい、その後数日間は薬を飲まないで生活していた。ワーファリンは元々飲んでいないので、服用を止めても直ぐに問題が発生する訳ではないと思っていたが、実際は、少し動悸を感じていた。やはり、薬を服用することによって私の体はコントロールされているのだと認識した。

検査が終わり廊下を歩いていると、南淵先生とばったり出会った。挨拶すると、「お待ちしていました!」とのこと。「後ほど、外来診察でお話させて下さい・・・」と言って、まずはロビーの待合室に向かう。暫くすると、深津さんがいつものように廊下で患者の名前を、マイクを使用するのではなく直接声をかけて診察室に招きはじめた。

午後一は少なかった患者の数も増えてきて、受付ロビーの座席も全部埋まっている。周りの患者を見渡したが、私が知っている人は見当たらなかった。今日は、知り合いの(元)患者には会えないかも・・・



私の名前を呼ぶ深津さんの笑顔に引き付けられて、診察室2に入室。南淵先生がいつものようにパソコンの画面で検査結果を眺めている。「逆流はあります・・・」。これだけ聞くと、また逆流か・・・とネガティブになりかねないが、南淵先生曰く、「これ、本当に逆流なのかな?僕にはそんなに大きく逆流しているように見えないけどなぁ・・・画面のこの黄色い部分が逆流だけど、ほら、ほとんどないでしょ。大丈夫だよ。自分が執刀した患者だから少しは贔屓目に見てるけどね!」 南淵先生の診察内容はこんな感じである。聴診してもらっても、雑音はほとんど聞こえないそうである。私も聴診器を自宅に持っているので、たまに自らの心音を聞くのだが、やはりベンチマークとなる正常な音が分からないと、幾ら聞いても雑音があるのか無いのかが良く分からない。心エコーの画面は今回もデジカメの動画で記録しておいた。先生は、「ブログで流してくれてもいいよ。うまくできた実例の一つだから・・・」と言っていたので、静止画を一枚。青や赤の部分は問題ではなくて、黄色い部分が逆流の部分だそうだ。一番逆流が出ている瞬間だが、この画像でも黄色い部分はあまり多くは見られない。



いつも午前の診察だと、患者数も多いのか、また午後に執刀を控えていて緊張されているのか、外来診察でもあまり長く南淵先生と話し込むことはない。別の患者さんに迷惑をかけてもいけない。しかし、今日は午後の診察で、担当する手術も今日はないと仰っていたので、いつもより長くお話をすることができた。南淵先生からは先生が実行中の企画への協力依頼を受け、私からは、私が来年にかけて目指しているある企画の話をした。詳細は今後このブログでも紹介したいと思う。最後に南淵先生と深津さんの写真をブログ掲載用に撮影させてもらい、診察半分、企画打ち合わせが半分という内容で診察室を後にした。



会計を済ませて帰ろうとした瞬間、南淵先生が診察室から出てきて私を呼んでいる。診察室に舞い戻り、診察室に居たこれから僧帽弁の手術を受ける予定の方を紹介して頂いた。詳しい状況は分からないが、正に手術を受ける決断を行う、そういう緊張の瞬間であったのではないかと、その方の不安な気持ちを発している容姿を拝見して感じた。南淵先生がいつもの明るい冗談を交えた会話で私や仲間のことを説明し、私は(元)心臓病患者としての心境をほんの少しお伝えした。しかし、想像ではあるが、ご本人は心臓手術に対する不安一杯で、我々のそんな話は上の空で聞かれていたのではなかろうか。付き添っていらっしゃった奥様から、連絡先のメールアドレスを頂いた。手術を受けるか受けないか、その判断もあるが、まずは、信頼できる病院と医者に巡り合うというちょっとした幸運、実は、これが天から自分の所に降りてくるのに結構時間がかかる方が多い、その方はそれを既に手に入れられていると思うので、患者側としての第一段階の難問はクリアしている。不安はきっと、今が最高レベル。ということは、これ以上の不安はやってこないのだから、病気や治療についての情報や知識を得ることでその不安を徐々に解消して頂きたい。我々、(元)心臓病仲間の輪はそういうことに貢献できると思っている。

再び病院を去ろうとした時、ロビーに座っていたある女性と一瞬目が合って驚いた。なぜならば、私が入院中にお世話になった看護師のYさんのお顔にその方が良く似ていたからだ。「おやっ、もしかしてあの時の看護師さん?」と内心思ったのだが、まさかそんことはないなと思い、東京ハートセンターの出口から去って行こうと外に出た。

その瞬間、誰かが私の背後から私を呼び止めた。ロビーに居たその女性がなんと私に声をかけてきたのだ。男性として見知らぬ若い女性から声をかけられるのは嬉しいもの。「やっぱり、あの時の看護師さん??」と本気で思ったが、実は、術前に私のブログを読んで下さった方であることが直ぐに判明。確かに、胸に創がある!



初対面にも関わらず、同じ心臓手術という体験をした者同士なので、暫く話を実らせてもらったが、ここでドラマが発生。なんと、彼女は、あの東日本大震災の日、3月11日の地震発生の瞬間に、ここ東京ハートセンターで南淵先生の手術を受けていたのである。その時の詳細は南淵先生のブログ(世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ yomiDr.)の2011年3月21日の記事「震度5強の心臓手術 」に先生が書かれている。彼女は術前に参考にしてくれたこのブログの作者である私と出会い感激(?)されていたようだが、私は私で、あの震災の瞬間に心臓手術を受けていた方と偶然今日、巡り合えたという、不思議な気持ちを感じたのだ。南淵先生が講演会で言っていたが、やはり心臓手術って、その周りにドラマが渦巻いているものだと実感した。それにしても、術後一カ月強でこの創の様子だとかなりきれいな方ですね。

今度こそ、病院を後にして、帰路に着く。ちなみに、東京ハートセンターの中に薬局はないので、処方箋を持って、最寄りの薬局で薬を購入しなくてはならない。大崎駅の近くにあるゲートシティ1FのTomod'sが一番近いらしい。行ってみたが、私に処方された薬の在庫が日数分に足りなかった。足りない分は、送料を薬局が負担して宅急便で送付してくれるらしい。当月分の薬は在庫がそろっていたので、足りない分は後日送ってもらうことにして購入した。震災の影響で薬の生産に影響を与えているのかどうか分からないが、他の方に対しても、この薬は在庫が1カ月分しかありませんと言っていたので、在庫切れになることが良くあるのかと聞いてみた。通常は過去の販売実績を元に在庫計画を立てていますとのことだった。想像するに東京ハートセンターの患者が増えてきて、心臓病関係の薬の需要がそこの薬局で増えてきているのではないかと思う。そういうアドバイス(?)を担当者に伝え、また、次回3カ月後に同じ処方でここに来ると思うので用意しておいて下さいと伝えておいた。この点、大和成和病院の場合は、院内に薬局がありそのような心配はなかったので少し不便だなと感じた。

薬を購入後、採血の為に昼食を抜いていたので、大崎ゲートシティの中にあるレストランで早めの夕食をとった。これまでは、診察後はSAKURAでランチというのが定番であったが、今後はパターンを変えて大崎での食事場所を開拓しなくてはならない。どなたか、お勧めの場所ご存知だったら教えて下さいね。

<=PREV NEXT=>

⇒comment

Secret

行きましたか!

22日に行かれたようですね。黄色はほんと、少ないみたい。いいなぁ。
私はようやくオペ後、2ヶ月。職場復帰して(パートに変更しました)働いております。
今日は散歩もできました。
ハートは結構いいです。
ちなみに、パルスオキシメーター、Bp計、BSチェック、心電図計など結構持って、チェックしております。
ただし、Wtはすでに2kgオーバーはちゃんと??しております。
いやはや、ハートがこんなに健康になるとは、やはりドクターのおかげか??
九州からドクター、カムバックさんの情報等に感謝しておりやすよ。

行ってきました!

みつりんさん、コメントありがとうございます。

そう、初めての東京ハートセンターに行ってきました。タイミング会ってれば、
みつりんさんにもお会いしたかったです。

術後の回復過程、そして、回復後の術後の第二の人生は、それまでとは違った
自分を発見できる喜びを感じて楽しんでいけると思います。

ドクターに再会しに来られるときは、是非我々ともお会いしましょう。

No title

東京ハート、行かれたんですね!
医療水準の高い病院があると安心しますね。

そう、東京ハートには調剤薬局ないんですよね。
ちょっと意外でした。

私は成和病院以外では、だいたい近所の行きつけの調剤薬局にお願いしています。
私の薬の履歴をわかってもらえるし、いろいろと薬情報も聞けるから。
今は「お薬手帳」があるから、過去の履歴はわかりますが、
「近所のかかりつけ医」みたいな「近所のかかりつけ調剤薬局」のような存在です。




「逆流があるのも個性のひとつ」・・・そうですね。
どんな体の状況でも、それを含めて今の「自分」だと思います。

創があるのも今の私・・・。
そんなに気にしている訳では本当にないんですが、
春物のお洋服がたくさん出ている今、やはり気になっている私がいます。

「創が見えちゃうかな」・・・なんて。

これは女子部ならではのことかしら?
まだ術後半年だから気にしちゃう?

子供の病院での問診票に、「親族で心臓病の人がいるか。」という項目がありました。

あ~~~、遺伝する病気ではないけれど、うちの子たちの問診表にもこんな項目が
あるのか・・・とちょっとびっくりしました。


我が家は娘二人です。
トトロを見ると、我が家に置き換えて見てしまいます(;_;)

生きていることを大事に思っているよ!
震災に会った友人達に恥ずかしくないようにね!




いつも徒然ですみません・・・。








































いつもありがとう

三つ葉葵さんから頂いていた東京ハートセンターについての事前情報のお陰で
あらかじめ想像していた通りに今回の外来診察は事が済んだと思います。
最後に新たな出会いがあったのは、全くの想定外でしたが。

創のことは、だんだん気にならなくなりますよ。アリスさんが言っているように。
もし、この創を100%消してくれる、そういう夢の薬があったとしたら、僕は多分飲みません。
だって、貴重な手術の勲章がなくなってしまうから・・・

さて、来週の考心会での再会楽しみにしています。

成和病院入院中の一コマ。

いつもベットで寝ているばかりで、あまり歩くのがお好きでない高齢のおばあちゃまが、
ベットの上に鏡を持ってきて、「もうすぐデートなのよ♪」といって、おめかししているんです。

「ん?」と思って見ていたら、
リハ室の理学療法士の方がリハビリのためにお迎えにいらっしゃいました。

な~るほど。

入院中の女性患者さん達の間では、
「リハ室の理学療法士さんはイケメン揃い!」と前からおしゃべりしていたんですが、
こんな効能があるとは!

いつもは歩かないおばあちゃまが、イソイソとお支度して、元気に歩いてリハ室に
行くとはね・・・。

「イケメン揃いにしたのは、女性患者への南淵院長(当時)からのはからい?(笑)」なんて
冗談で言っていたのですが、本当にそうかも?!(な~んて。)

でもね、その時のおばあちゃま、かわいかったんですよ~♪
うふふ。

病院での心温まる一コマでした(^^)

成和病院入院中の一コマ、その2

成和病院入院中の一コマ、その2。

手術後、回復が進み退院日が決まると、栄養士さんによる栄養指導が行われます。
成和病院にいた栄養士さんがそれはそれは、美人な方なのです。

リハビリ室で運動中、イケメン理学療法士さん達が、その栄養士さんの噂をしていたのですが、
それがリハビリ室の看護師さんにばれて、看護師さんが冗談だけど嫉妬されていたのが
印象的でした。

ドラマですね

(^u^)ご無沙汰してます。

今回のブログ、ほんとにドラマチックですね。
一日の流れがあらかじめプランされてたような・・・

逆流、ホントに少ないようで良かったです。

術後にまだ不安を抱えてる方々(ボクも含め)もたくさんいらっしゃると思いますが、カムバックハートさんのブログやげたのうらさんのブログ、その他の心臓病手術を受けられた方々のブログには精神的に助けていただいてます。

ありがとうございます。

ずっと続けていきます。

すかじいさん、

すかじいさんは、倉田先生だから、大和成和で外来続けているのでしょうか?
その後の大和成和病院も気になります。なにかトピックあれば教えて下さいね。

心臓手術体験を綴ったブログは今や沢山あります。中には残念ながら閉鎖されて
しまった方も。僕のブログも2年半ほどやってきましたが、当初は直ぐにネタ切れに
なるかと思ってました。ネタが切れたら閉鎖かなと・・・でも、幸いにも、多くの仲間と
出会い、その輪が拡大していますので、今は一生このブログ続けてやろうという気持ち
でいます。数十年後には、「第二百回目の外来診察」とかいうタイトルつけているかも
しれません(笑)

薬局での買い物

昨日、Tomod'sで不足していた在庫分の薬が宅急便で届きました。
良く考えたら、Tomod'sで薬を買うと、お店のポイントが付くし、クレジットカードで
支払いもできるので、カードのポイントも溜まります。
なので、クレジットカードの使えない病院内の薬局よりは、一般の薬局で薬が
買えることもメリットかなと改めて思いました。

ポイントは魅力ですね

私が薬をいただく薬局はクレジットカードが使えないんです。
羨ましいですね(笑)
でも入院した滋賀医大はカードが使えたのでポイントがだいぶ貯まりました♪
ブログは続けてくださいね。楽しみにしていますので…
私の方はまだ現在に追いついていないので、それが問題だったりします。

ようやく暖かくなってきたので術後の心音を録音して、手術前後の音をアップしようかと考えています。
そう言えば昨日のためしてガッテンでは弁膜症を取り上げていましたね。

カード払い

豆パパさんのブログは細かいデータや情報が盛り込まれているので
役に立っている人が多いと思います。お互いに長く続けていきましょう。

治療費をカードで支払えたら、ポイントは大きいですね。高額医療補助金
を受け取るまでの時間差も短くなるし、これからの病院には是非クレジット
カート支払を受け付けてもらいたいものです。

豆パパさんの手術前後の心音、聞いてみたいです。アップされるのを
楽しみにしています。
プロフィール & メール

Author: カムバックハート

カムバックハートブログバナー

カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の49歳男性。

2008年12月に僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)

フィルムで写真を撮るのが趣味です。(元)心臓病仲間のポートレート写真展の開催に向けて準備中です。詳細はこちらの記事。「創と私」「術前 vs 術後比較ポートレート」「病気を支えた家族と(元)患者のツーショット」「笑顔の(元)心臓病仲間のポートレート」のテーマで作品制作中です。これから心臓手術を受けるかもしれない人達に元気になる期待と勇気を与えたいと思っています。

心臓病仲間の輪に入りたい方や、ブログについてのご質問、お問い合わせのメールはお気軽にこちらへ どうぞ。但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めての方は簡単なプロフィールをお願い致します。

当ブログ掲載の文章と画像の無断コピー、無断転用を禁止致します。

最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
COUNTER
ご訪問ありがとうございます:

累計訪問者数:
ブログ開設: 2008年12月
お知らせ
このブログは、私が弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。2008年12月当時の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
リンク
検索フォーム
QRコード
QRコード